ゼンカイ脳が詫び「リョーマ!」してきたけど普通に楽しんでしまった話

これまでのあらすじ:ゼンカイジャーのテニス回があまりにもひどかったのでゼンカイジャーの分まで劇場に詫びリョーマしてきた。ネタバレあり。

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さすがにテニミュに出てた増子敦貴さん(四天宝寺・白石蔵ノ介役)がいて、まったく許斐剛先生(集英社)に一言もないとは思えないんですけど。

本当に本当にすみませんでした。

 

それはさておき「リョーマ! The Prince of Tennis 新生劇場版テニスの王子様」が面白かったので、もう少し真面目に感想を書いておこうと思います。

2mmしか知らないおれのテニプリの知識
・遙か昔にジャンプでリアタイしていたので(序盤)青学とか氷帝とかは大体分かる
・遙か昔にアニメをリアタイしていたので(序盤)青学とか氷帝とかのキャストは大体分かる
テニミュ宮野真守氏が出ていた円盤どれか1本のみ見た
許斐剛先生は歌う

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あまりにも色々忘れていて、観月のこと不二の弟だったっけって素で思ったのは本当に申し訳ない。

 

本作は公式サイトで紹介されているとおり、ギャングに襲われた桜乃をリョーマが助けたところ、父親“サムライ南次郎”が現役だった時代にタイムスリップしてしまう……というもの。原作との時間軸は正直よく分かってなくてすいませんが、乾が包帯ぐるぐる巻きになってたり、タカさんが怪我してたのは何となく見覚えがあったので後々そんなこともあったなと思い出しました。全員で歌って踊ってる時に「この2人なんでこんなことに?制作側から圧力でもかけられたのか?」って素で心配してしまってすみません。

テニミュというか、キャラソン自体も存在は知ってるけどあまり免疫がなかったので開幕で1回死にました。振り返ってみればミュージカルのオープニングだった。役者紹介を兼ねて登場人物が1回全員出てくるやつ。完全にあれだった。しかし手塚が歌ったところで盛大にむせた。

リョーマがテニスギャングをラップで倒したところまではいいとして(テニスは格闘技だからね)、テニスボール同士がぶつかる、すなわち宇宙が誕生するビッグバンのごとき衝撃ゆえに時空もねじ曲がって2人がタイムスリップしてしまった……というのは整合性が取れてますよね。でも、飛んできたボールがどこから来たのかが分からなかった……ちらっと映ったのはエメラルドの目だったと思うので、彼女が打ったのかと思ったけど最後まで見たら彼女はギャングとは違う新たな道を選んでいた……という印象だったので、あの場にはいませんでしたよね。ボールどこから来たんだろう。まあいいでしょう。

辿り着いた先は、父・越前南次郎が引退を決めた全米オープン決勝の数日前。詳細は知りませんが、リョーマのあの様子だと「あれほど強い(自分が全然勝てない)南次郎を引退に追い込んだ相手は誰なのか」をずっと探していたんだろうなというのは伺えますよね。その答えが今、目の前で分かるかもとなったらそりゃワクワクしますよね。

そして、現役の南次郎がプレイしてるところを見れるとなればテニスラケットに張り付く生霊にもなるわ。あれは一体、どんな天啓を受けて思いつくんだろう。言葉で説明できなくない?でも、それだけリョーマがテンション上がって嬉しかったんだねってのは伝わってきた。この辺で大体ミュージカル的に「この辺で歌うんだろうな」ってタイミングも掴めたので、初見にも優しい構成だったと思います。

あと、タイムスリップといえば「何が起きるか分からないから、過去の自分との接触は避ける」「過去の関係者には自分の存在を明かさない(偽名を名乗るとかよくある)」「未来に戻るため奮闘する」みたいなのがセオリーかと思いますけど、本作は「めちゃくちゃ過去のリョーマ(子供)とも会う」「普通に過去の家族にもリョーマと名乗る(さすがに未来から云々は言ってないけど)」「別に未来へ戻ろうとしていない」というのが、とても面白かったですね。観る前にストーリーがあまりないみたいな感想を見た気がするんですけど、リョーマと南次郎の関係性に特化させてそれ以外の細かい設定やら説明ははぶいた(でも大事なことはちゃんと伝えてる)構図だったと思いますよ。

そもそも過去に来てしまったのは偶然だったとして、最初からリョーマの目的は「南次郎が引退することになった全米オープン決勝を見届ける」なんですよね。それを果たしたら未来へ戻る方法を探そうとなったかもしれませんけど、今は戻るとかでなく、南次郎が戦っている場所を見たいし、彼を倒して引退に追い込んだ相手がいるならそれも知りたい。そこが大事なんですよね。

でも、実際リョーマって自分の感情はやや後回しでほかの人のことを考えてるので優しいなって思います。桜乃が心配だから単身マフィアのもとに乗り込んだし、南次郎が無事に試合ができるよう自ら人質になると言った。桜乃が無事で、この時代の息子も無事なら南次郎は心置きなく戦えると思ったのかな……南次郎はリョーマのこともちゃんと心配してたからその辺の気遣いはあまり意味がなかった気もしますが。

教会は完全に「ここ歌うとこやろ」って思ったから大丈夫だったんですけど、リボンを作ってよこすリョーマと、ポニテになった桜乃にはリョーマ並みに「ヒェ……かわい……」って動揺してしまった。あの時のおれは完全にリョーマだった。テニスボールはお星さまにもなれるんですね、ロマンチックだなあ。

教会から下っていく坂、あれ完全にいろは坂だった。あの光景見たことある。具体的に言うと、レースゲームに出てくるいろは坂だった。

電話ボックスのくだり、跡部様は素肌にネグリジェだと思ってたからバーって脱いだときびっくりしたんだけど普通にテニスウェアだったのでずっこけた。それはともかく、跡部様の激励で逃げてばかりでなくマフィアに挑む決意を固めたリョーマは普通に格好よかったのでは。色々なものを抱えすぎて身動きが取れなくなっていた、余計なことを考えすぎていつものリョーマらしい行動じゃなくなってたところ、先輩でありライバル(たぶん)の跡部様の一言で「自分らしさ」を取り戻したのかなーみたいに思えました。リョーマに正しく助言ができる人ってあんまり多くない気がする。知らんけど。

エメラルドとの戦いは、小細工なしの真っ向勝負(歌含む)で格好良かったですね。劇場版でわざわざ足でテニスする選手が出てきたってことは、本編にはいなかったのか?!ってびっくりしたんですけど、足でラケット振るのってルール違反とかなんですかね。なんでもアリのこういう場でしか出せなかったのかな。手足の長い人だと足でラケット振るうのも絵になりますね。

南次郎との戦い、南次郎も歌うのかな……でも冒頭で幸村ほとんど歌ってなかったような……テニスギャングは歌ってたのに……とか思ってたら、南次郎も普通に歌ったのでよかったですね。リョーマも南次郎も生き生きしてたし、現代の引退済みの父親とではなく、現役の選手同士で戦うのはまた違ったんだろうなーと。何だか分からないけど全部元に戻ったし、リョーマ以外は覚えてない?のかもしれないけど、リョーマのバッグに桜乃のプレゼントのバッジが付いててニコニコしてしまった。かわいいね。

観たのはGlory版だったんですけど、跡部様とか白石とかが電話で話してたシーンがDecide版は手塚とか幸村だったのかな?手塚がどんな反応したのか気になる。

最後のとこ、あれは許斐先生の好きなキャラソンセレクションとかそういう?しっかし、普通CGアニメ映画となったらアニメ絵だけだろうに、原作の絵も劇場の大画面で見れてすごいなーと思いました。

それと、エンドロールでやたら「作詞作曲:許斐剛」が目について二度見しました。劇中歌とか全部そうだった?いや歌うのは知ってたし、作詞は分かるけど作曲……??ハッピーメディアクリエイター半端ねえな。

 

返す返すもゼンカイジャーが本当にすみませんでした。