PS5版「ホグワーツ・レガシー」感想的なあれこれ(ネタバレあんまりなし)ーースリザリン生に救いはないのか

ホグワーツ・レガシー」、めちゃくちゃ楽しかったです。メイン+主要なサブクエストでおそらく30~40時間前後、自分はだいぶ寄り道したので1回クリアまで60時間ほど。トロフィーコンプにリーチかかったので、自分が詰まったところもメモしておきます。

メインのストーリー周りのネタバレは抑えてますが、システム周りに準拠する話題はめちゃくちゃ話してます。

全体雑感

本作は「ハリー・ポッター(ハリポタ)」の小説の世界を舞台にしたオープンなフィールドのアクションRPGです。ハリポタよりも前の時代の後付け前日譚なので本編に直接的な関連性はないものの、タイトルのとおりホグワーツ魔法魔術学校を軸としているので99%ハリポタファン向け。

なんだけど、じゃあハリポタファンしか楽しめないかっていうとそうでもない。自分がハリポタは映画1~2本見た程度のにわかだしな。そもそもとして箒にまたがって空を飛ぶ魔法使いや魔女、多種多様な魔法、魔法生物などヨーロッパあたりに伝わる伝承や伝説なんかをモチーフとした作品は古今東西いくらでもあるので、そのあたりに興味があれば十分楽しめます。

もちろん世界のルールはハリポタ準拠だから知ってると知らないじゃ理解度が段違いだし、使える魔法やら家系やら映画に出てきたイメージそのまんまのビジュアルやBGMなどなど、もろもろの小ネタにニヤリとできる権利はファンだけに許されたものだろうけど。具体的に言うと「ペトリフィカス・トタルス」ってバックアタックからの即死魔法かと思ったら「一時的な麻痺」て。「えっそんな程度の魔法だったの?!?!」みたいな意識の差はよくありますね。

翻訳周りも、まあいわゆる洋ゲーっぽいセリフの応酬って感じだけど、空気感だけで意味合いなどは問題ないです。イメージとしては映画の字幕みたいな感じだけど、そこまでテキスト枠とかの文字数制限とか厳密に厳しい感じでもなくそこそこ自由きいたんじゃなかろうか。手紙とかもいくらでもスクロール伸ばせますよみたいな感じ(これはどっちかっていうと文字の拡大対応の処置のような気もするが)。「姿現し」とか直球っぽい言い方が少し気になるけど、これはもう大元からしてそうなんだろうしな。自分は文字を拡大するくらいしか使わなかったけど、アクセシビリティ面は色々と手が入ってたと思います(英語準拠だけど)(まあ大体どれもそう)。

いわゆるオープンワールドだとバグとの戦いになるもんですが、自分はちょうどアーリーアクセス以降はほとんど遊べず、発売1カ月後の2023年3月頭にあったアップデート前後から再プレイし始めたのもあってか挙動がおかしいことはほぼありませんでした。たまに水を貫通して泳げず水底を歩いたり、コートやローブの裾がめくれて変なことになったりするくらいで、初期に見かけた床が抜けるとかはなかったです。ちゃんと安定している、ってのは普通にエライ。

フィールドの広さは、たぶんバトル主体のアクションゲームとかと比べると一回りか二回りくらい小さいイメージかな。あと敵の種類とか、魔法のバリエーションもそんなに多くはなくアクションも穏やか。ただそれが悪いってことは全然なく、普段からゲームを遊ぶ人間よりも、小説や映画で描いてきたハリポタの世界を味わいたいファンがじっくり楽しめるようにという真心ラインを狙って作ったように思う。歯ごたえあるアクション楽しめるオープンワールドはいくらでもあるけど、現時点でハリポタワールドを自由度高く楽しめるタイトルはこれくらいなので(キャラゲーはノーカン)。

むしろホグワーツの校舎内の作り込みとかは異常なので、それに加えてよくまあここまでフィールド広げたなって思うレベル。あと日中でも全体的にすっきり晴れているんじゃなくどこか霧がかったような空気だし、もはやご近所並みに入り浸ってる「禁じられた森」とかもおどろおどろしい雰囲気たっぷりで「ダークなファンタジー最高!!!」としか言えない。

ストーリーの進行に合わせて校内がハロウィン模様になったりクリスマス仕様になったり、外で雪が降るようになるのも細かい。

あとはもう、この世界を箒で飛び回れる。それだけでもう100点中10000点あげたい。ハリポタ世界のトラベラーアイテムらしき煙突飛行粉というのでファストトラベルも充実しているんだけど、それより箒で空飛んで移動したくなるんだよな。だってさ、楽しいんだよ。車や馬みたいな乗り物でフィールドを走り回ったり、上から下に滑空するみたいなことは結構どこでもできると思うけど、この「空を自由に飛びたいな~!」って欲求をとことん満たしてくれるものってスタンダードではないと思うので、そこだけでもう無限に加点してしまう。

それと煙突飛行粉もそうなんだけど、別にゲームなのでメニューを呼び出すだけでもいいんだけど「『フィールドガイド』というマジックアイテムを駆使してさまざまな情報を記録している(のでプレイヤーはそれを閲覧できる)」といった体にするの世界背景の尊重~~~!!!って手を叩いてしまう。あと詳細は知らんが魔法使いってやつは杖を使ってアイテムを四次元ポケットに収納できる?みたいなので、そんなRPG向けの設定がハナからあるなんて……!!ってソワソワしてしまうな。

 

以下、さらにざっくりと。

 

ストーリー

ハリポタでほんのり触れられる程度らしい「古代魔術」にフォーカスしたストーリー。5年生という特殊な状況で転入してきた主人公には古代魔術の痕跡を見る力があり、その力を求める凶悪なゴブリン「ランロク」と争うことになる……みたいな導入。ハリポタ世代と要素もほとんど関係ないのでこれ単体として楽しめるし、そこまで首をかしげることもなくホグワーツ・レガシーの物語として綺麗に完結していたと思います。まあ、主人公がどこから来てどこへ行くのか……みたいな部分はご想像にお任せしますみたいな感じだったけど、それは「この時代のホグワーツに通う主人公」の像をプレイヤーに委ねてるからそりゃそうだよね。

どちらかというと強大な敵に立ち向かっていくメインクエストより、個々の生徒と交流していくサブクエストのほうが感情的には面白いかな。同級生たちも何だかんだ、家族(生い立ち)に色々と抱えているので。ポピーとナティの話は単純に好み。

 

なお自分は例にもれずセバスチャン(開始直後から色々とつるんでくれる相棒的なポジションのひとり)やオミニスに情緒を狂わされまくったけどな。

セバスチャンは「許されざる呪文」関連でもあるんだけど、闇の魔術を覚える/覚えないはプレイヤーに委ねられているので、そのあたりもRPというか心情や信念に寄り添っていてよかったと思います。まあ周囲のハリポタ知ってる勢は発売前に「アバダケダブラ!!!!」としか言ってなかったけど。

 

以下はネタバレ含む。

クルーシオを覚えた後→ https://fusetter.com/tw/YwCIcUWx

インペリオを覚えた後→ https://fusetter.com/tw/W5lpd6JW

アバダケダブラを覚えた後→ https://fusetter.com/tw/NTNz24Cj

エンディング前後→ https://fusetter.com/tw/vGkHnweO

 

ほかは概ね、お使い系といえばそうなんだけど、回収してきたアイテムを「やっぱ返しませ~~~~ん」とか「ここまでやったんだから誠意を見せろ」って金をせびったり、外道プレイもそれなりにできるのが楽しかったな。俺転入生は基本的に頼まれごとは無償で手を貸す善意プレイだったけど、それでもいくつかはどうしても許せなくて依頼人を裏切りました。すごい罵倒されるけどスッキリ!クエストの総数も多すぎず、少なすぎずでちょうどよかったと思います。

 

出番少ないわりにアミットも爪痕を残していったしな。

キャラメイクとか

ホグワーツの5年生(概ね16歳前後?)」という大前提があるので、どうしてもキャラメイクの幅が狭くなってしまうのはしょうがない。あと衣装もマント&ローブやマフラーは固定なのは仕方ないとはいえ、ぶっちゃけ制服ベースかいわゆる中世ファンタジー的なもののパーツや色をほんのちょっと変えただけの量産モデルしかないんだよな。ただ、さすがに数がエグくて「まあ……ここまでやるなら許したるわ……(?)」って物量で納得させられるみたいな気持ち。ただそもそもパーツ少ないんだから髪の干渉とかはもうちょい頑張ってほしかったかな。

ホグワーツ・レガシーがめちゃくちゃ売れたので、よければ「ファンタスティック・ビースト」的というか、魔法省の人間みたいな感じでもっと大人の人間をベースにしたゲームもやってみてえな。PS5現役の間は無理だろうけど(制作期間的な意味で)。

バトル関連

すごい端的に言うと「主人公が魔法も使えるマッシュル(筋肉で解決するハリポタみたいな漫画)」なので、ほぼ無双できる。てか何より、自分ですら「ウィンガーディアム・レヴィオーサ!」とか聞くと「おお!」ってなったので、ハリポタ好きな人ならこの辺の魔法が自由に使えるってだけでテンション爆上げだったんじゃなかろうか。

ぬるいというより「ゴリ押しでもどうにかできてしまうが、きちんと組み立てると結構テクニカルで面白い」というイメージかな。ひたすら避けて殴ってれば大抵の相手は死ぬのでついついゴリ押ししてしまうんだけど、ちゃんと弱点を狙うとか「この色のプロテゴかかってるときは同じカラーでぶん殴れ!」って魔法を選ぶ駆け引き、バトル中に達成してもええんやでっていう軽い条件とかが出るので退屈せずに楽しめました。

それでも大抵のことは古代魔術で蹂躙できてしまうし、薬品ガブ飲みし放題もだけど、何よりマジで薬草学が強い。マンドラゴラで怯ませて隙を作り、毒触手草(これとゴブリディグック語が二大声優泣かせ固有名詞だったと思う)と噛み噛み白菜を投げたあとは○ボタンでローリングして避けてるうちに敵はもう死んでいる。序盤は薬とか植物も材料があんまり揃わないし、買うと高いしで貴重なんだけど、ちょっとお金を貯めて学術書の店で道具そろえて種も買って無限に栽培できるようになったらもう“““勝ち”””が約束されたようなもんなんで。装備の特性とか才能で威力伸ばしたらもう無敵。わりとマジで。

使える魔法は全体からするとごく一部って感じみたいだけど、ゲームの場合は汎用性を重視してチョイスされたって感じ。1回しか使えないような魔法じゃコスパ悪いもんな。ただアバダケダブラと渡り合う基礎魔法 is 何?ってのはある。あと関係ないけど、プロテゴを貫通して「ガシャン!!」て壊す音がするのが好きだな。命の壊れる音じゃないですか。

やっぱり多対一で叩くのが面白いと思うので、コロシアム的なアレが好みです。存分にいっぱいぶん殴れるし。

ギミックとか

バトルはほぼゴリ押しでどうにかなってしまうので、どちらかというとダンジョンや要所でちまちま要求されるギミックのひらめきがほどよくて楽しかったな。メインクエストで触れるようなやつは、ウロウロしてるとそのうち主人公が「あれをああしたらよさそうだ」って独り言でプレイヤーをフォローしてくれるし、大抵のことはレベリオを唱えればヒントが飛び込んでくるので。デパルソパズルはちょっと難しかったな……まだ全部やってないので頑張ります。

マーリンの試練と宝物庫はあまりにも膨大な金太郎飴で虚無あじだったんで、もっと数を減らして内容を練ってほしかったなと思います。ただ終盤にやったマーリンの試練の、デパルソ延々撃って山をぐるっと回ってテッペンから下に向かってホールインワンさせるやつは二度とやりとうないしできる気がしないし設計者グーで殴ってしまいそう。宝物庫は、岩がゴロゴロ転がってるやつだけ分らんかったどうやって解くんだあれ。古代魔術の痕跡探しは結構楽しかったんで、これくらいだといいな……。

必要の部屋 

いわゆるハウジング的なソレ。パーツも結構あって、凝り性は無限に凝れるのでその手のコンテンツやりたい人にもオススメなんだよな。

自分はあんまりその辺は得意じゃないので、必要の部屋でやったたことといえば植物と薬の生産と、魔法生物の繁殖くらい。これ子供って成長せず、ずっと子供のままなんだろうか??可愛いな。最初は「飼育できる範囲が狭いよ~~!!」って文句言ってたんだけど、メインクエスト進めたら結構場所が増えて今はゆったり使えててヨシ。そういうパラメータになってるんだろうけど、近づくと寄ってきてジーーっとこっち見てブラシ待ちしてるっぽく見えるのが可愛い。グレイシアスかけてから捕まえてるのに、懐いてくれてすまねえ……!!最初ムーンカーフちょっと目が怖かったんだけど、慣れたらCuteに見えてきた。

 

できればフクロウもこれくらい愛でたかったナ~~~~~!!!

PS5限定クエス

ダンジョンもバトルもここだけのギミックてんこもりで面白かったし、純粋なバトルは一番歯ごたえあった気がする。たぶんハリポタ知ってたらニヤリとできる要素もあったと思うので、いつか理解できるといいな。

 

これといったオチもまとまりもないけど、めっちゃ面白かったぞって話として残しておきます。

トロフィー関係

自分が詰まったところ

・サイドクエストでほかの要素と関連せず、スタートが見つけにくかったのは「井戸よ井戸」(アランシャイア南東)
・「呪われた墓の宝」(マナー岬)もクリアまで見つからなかったけど、悪名高い敵のチャレンジで必須→連動してトロフィー「恐れ知らずの探検家」のPS5版はヒントの文言からここで訪れるダンジョンが抜けている模様

・サイドクエスト「失われた子」はステルス必須の進行みたいに見えるけど、ここで悪名高い敵のカトリン・ハガーティーを倒しておいたほうが後々迷わずに済む(倒さなくてもコレクションに入ってしまうが倒さないとチャレンジ達成にならないので最後の1人で詰まった)

・トロフィー「最後の仕上げ」に悪名高い敵など1回しか遭遇しないタイプは含まれてない模様?倒す前に達成できたので

・トロフィー「コレクターズ・エディション」

→出現呪文はホグワーツ内や街の宝箱のほか、フィールドの蝶、数字の扉、デパルソパズル、飼育場で回収。たぶん宝物庫にはなかったはずで、マップの「コレクション」で状況を概ね確認できる

→衣装もそこまで宝物庫が必須ではないので、後回しかマーリンの試練のついで程度で十分。装備レベルが自分のレベルと連動しているので後々取ったほうがレベルが高いはず

→フィールドガイドのコレクションに空を飛ぶ紙、蛾と鏡、炎やレヴィオーソを当てて入手するなどは含まれない(現時点で蛾と鏡はバグで蛾が消滅しているケース多々)

→箒のうち1つはサブクエスト「連れ去られた荷車」クリア後に店を開いたアーンから購入

・トロフィーには関係ないけど目玉のついた宝箱は姿くらましで開けられる(貴重品は入っていない模様)(教えてもらうまで気づけなかった)